代表インタビュー

株式会社Questの代表でありメインメンターの南健太にbunkインターン生がインタビュー。
事業を始めた経緯や自身の学生時代の経験、bunkに込められた思いを話してもらいました。

自分のキャリアは自分で守るもの

株式会社Quest代表取締役 / bunk事業責任者
南 健太


オックスフォード大学、及びケンブリッジ大学(修士)を卒業後、ブーズ・アンド・カンパニーに入社。その後ボストン・コンサルティング・グループ(東京・ムンバイオフィス)、BCGデジタルベンチャーズを経て、2018年に株式会社Questを設立し代表取締役に就任。

学生として将来のオポチュニティを広げられる場所

─まずはbunkのサービスについて簡単に教えてください。

簡単に説明すると、トレーニングでスキルレベルを上げた大学生とインターン生を探している企業をマッチさせるサービスです。

元々「インターン生」と「インターン生が活躍しうる企業」って実はあまりマッチされてないなと感じていました。というのも、企業が求めているレベルの業務をいきなりインターン生に任せることは、当然ながら簡単にできることではないんですよ。このギャップには僕たちも最初は苦労しましたね。

そこで、トレーニングや他の育成方法を通して、インターン生の付加価値を上げられないかなと考えました。根本にあるインターン生のマインドセットやスキルレベルを上げる手助けができれば結果的に双方にとって色々なオポチュニティが広がっていくと思います。

─インターン生の育成やインターン先の紹介を行っているのですね。「育成」という点は特徴的だと感じるのですがそれ以外に類似サービスと違う点はありますか。

育成以外の点だと、他に比べて紹介先の質が高いのが特徴ですね。

話を聞いてみると、「インターン」と謳いながら記事の量産やテレアポをガンガン行うような業務しか任せてもらえず思っていたインターンと違った 、みたいな声をよく耳にします。

もちろんこういった業務を通して最低限の社会人スキルが身に付くことはあるかもしれませんが、bunkでは実務で役立つハードスキル(各種ツールの使い方、ドキュメンテーション等)やソフトスキル(ロジカルシンキング、コミュニケーション等)も身に付けることができる紹介先の提供を心がけています。

─インターン生が最大限に成長できる機会を厳選して紹介しているということですか。なぜそれがbunkだと実現できるのでしょうか。

bunkでは紹介先とマッチングをする前に、インターン生に対して戦略コンサル出身者監修のトレーニングを実施しています。つまり、リサーチスキルやロジカルシンキングなどの汎用性の高いスキルセットが一定以上ありますよという担保をした上で紹介しているということです。

なので、裁量が多く、色々な業務を任される紹介先が多いです。あと、割とインターンを受け入れていなかったような企業も僕らの中で開拓できているのはありますね。

─業務内容が充実している紹介先が多いのですね。もう少し具体的に紹介先についてお聞きしてもよろしいですか。

 依頼をいただく紹介先でいうと、大きく分けて3つのニーズを求める企業があります。 

【インターン生×代表直下のスタートアップ】

一つ目が、育成された優秀なインターン生を求めるスタートアップ系の企業です。現在ではアーリーからシードフェーズぐらいのスタートアップが紹介先の半数を占めています。コンサル出身の人が立ち上げたスタートアップとかは親和性が高いですね。

ベーススキルとして最低限のコンサルスキルは学べる環境があるので、そこが一定担保されていると説明をすると、割とコンサル出身者が代表を務める企業から「紹介してほしい!」という声があります。

また、なぜスタートアップが多いかで言うと、レイターステージに行けば行くほど、専門性や情報管理の問題でやっていただける範囲が狭まってしまうからです。最初のフェーズの割とふわっとしたところの方がインターン生は活躍しやすいのかなと思います。

【学生ノウハウ×大手上場企業】

二つ目が、大学生の意見や視点を把握したい上場企業とか少し大きめの企業ですね。こういった企業としては、将来を担う若い人材を積極的に獲得したいというので新卒や大学生のニーズを汲み取りたいのがあります。

上場企業で業務実績を積める経験と引き換えに貴重なデータを得られるので、そういった理由でご依頼いただくこともありますね。あとは、ありがたいことに優秀なインターン生に集まっていただいているので、そのプールにアクセスできるという点でもご依頼いただいています。

【インターン生×大手上場企業】

最後が、上場企業系でもう一つあって、コンサルワークを依頼していただいている大企業に関しても親和性はありそうです。大企業側で例えば企画職の人が必要な場合に、業務委託じゃなくてインターン生のオプションもあるよねという感じで推奨しています。

いわゆるコンサルの業務委託とかって単価が高いので、依頼するのをためらってしまう方もいると思います。そういった層をターゲットして、一定育成された優秀な大学生でもパフォーマンスは十分に出せることを証明しています。

今でいうとこの3パターンぐらいですかね。

 

─bunkはどのような学生におすすめですか。

将来的に何をするかまだ迷っている人やコンサルを志望している人におすすめです。

あくまで僕の経験上の話になるのですが、割とコンサル志望の方って、いい教育を受けてきてベーススキルも高いが故に様々な機会がありすぎて何をすべきか決めかねている方が多いと感じます。

そのような学生にとってbunkでリアルな職業体験が積めるのは大きいと思います。本や記事を読めばある程度の業界理解は得られるものの、具体的な業務内容や自分が向いているかは実際に経験してみないと分からないですからね。

コンサル系の紹介先も充実しているのでもちろん「コンサルってどんな感じなんだろう」って考えている学生にはおすすめです。しかし、それ以外にもスタートアップで多岐にわたる事業をやっている人と一緒に仕事をする機会が得られると、それで職業選択の幅とか将来的にしたいことが結構クリアになってくるので是非意欲のある様々な学生に応募していただきたいです。

インターンシップをキャリア形成における根本に

─bunk運営元の株式会社Questでは、インターン生の採用をどれぐらいの規模で行っていたのでしょうか。

そうですね、設立して5年弱で100名以上のインターン生を採用した実績があります。

Questで事業を拡大していく中で、割とリサーチやコンサル関連のコアにあたる業務もお手伝いいただけそうだなというので積極的に採用を増やしました。

累計100名もですか、すごいですね。自社の成長もインターン生によって支えられていたのですね。最初にインターン生を採用しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

最初のうちは、総務・経理・人事・コンサル・リサーチワークを含む幅広い業務を自分一人でこなしていたんですね。その周辺業務のお手伝いをしてくれる優秀な大学生がいてくれれば助かるかなと思い、インターン生を採用しようと考えました。

とはいえ、その時点で僕が大学を卒業してから10年以上経っていたので大学のネットワークも当然ながらなく、どこで探していいかわかりませんでした。

そこで普通であれば、既存のインターンマッチングサービスとかに登録をすると思うのですが、僕たちはSNS広告を打つことにしました。元々運用経験もあったので実は結構採用できるんじゃないかなと思い、少し回してみたらあっという間に10人以上から応募がきたので驚きました(笑)。

はじめは、幅広い業務をお願いしたくインターン生採用を決意したのですね。なぜそこまで「インターン生」の採用にこだわるのでしょうか。

結論から言うと、若い世代の方々の支援を行いたいからです。今ある世界を築き上げた古い時代の方たちがいなくなる中で、これからの世界の希望を創っていくのは若い世代の方たちです。

そんな彼らが、定説にとらわれず、もっと広い視野を持って自分の可能性に気付けるように支援していきたいと思っています。

人生は思っているよりもあっという間に過ぎていきます。一度きりの人生にも関わらずやりたいことが分からず、とりあえず何かをするみたいな人生を歩んでほしくはないですね。

色々な可能性がある中で、大学生のうちから自分にとって価値を見いだせる仕事を探し始めるきっかけとなれればいいなと思っています。

インターンを通して可能性を探し始めるきっかけを提供しているということですね。可能性の部分についてもうちょっと詳しく教えていただけますか。

一回就職先を決めて入社をしてしまうと、なかなかやめないし、やめられないじゃないですか。特に日本の大手企業だと、長期でいるのが当たり前みたいな風潮もあるので選んだらずっと続くみたいな人が多いです。

その上、大人になったら転職を頻繁にしているとあまり良く見えないんですよ。例えば、転職活動をする際にレジュメに10社とか載っていたら、この人危ないかもって思われることもあります。

ところが、インターンの場合は真逆で、何度も挑戦できる強みがあると思います。興味のある企業や業界を一度試してみて、合わなかったら他の業界も試せるので後々できなくなるようなことができますよね。また、長期インターンになると1~2年働くことも可能ですし、人生においてこのように長期間「お試し」できる機会って無いなと思っています。

このように、自分の可能性をじっくり探せる機会を無駄にせず学生のうちは好きなことに挑戦してほしいです。

そこから思い切って他社にインターン生を紹介するbunk事業の創設まで踏み切ろうと思った理由はなんでしょうか。

実は僕も大学生の頃にインターンをしようと思ったのでひたすら探していました。

エージェントに登録をしたり、直接企業に応募をしたりしたのですが選考に時間がかかりすぎたりして、結局ホテルでバイトをしていました。後悔はしていませんが、大学生のうちから可能性が見つけられるようなことをやっておいた方が良かったなと思います。その機会を見つけるのが難しかったんですけどね(笑)。 

20年経った今でも似たような問題が根付いているような気がします。

学生がインターンをどこで探していいか玉石混合のインターン紹介サイトの中から自分にあったインターンを見つけることの難しさをよく耳にします。良い機会を提供してマッチしている場所ってなかなかまだ少ない気がするのでそれを何とかしたいなと思ってbunk事業の創設に踏み切りました。

まだまだ始動したばかりだとは思いますが、今後bunkをどのような存在にしていきたいと考えていますか。

学生は学業に集中するべきという風潮は長い間漂っていましたよね。

それが最近になってやっと変わりつつあります。厚生労働省の発表した「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」や経済産業省の発表した「未来人材ビジョン」に記載されているようにインターンシップを社会全体で積極的に活用していく動きは着々と進んでいます。

しかし、まだまだインターンシップの認知がされてないと思うのでそこの色々な機会を提供していきたいです。具体的には、社会人になる上で学業だけだとカバーしきれないところってあるので、そこをアルバイトではなく、インターンで埋めていければいいなと思っています。 

現状、企業単位で見ると良いインターンシップを提供している企業は沢山あると思います。しかしそういった機会を厳選して紹介・マッチングしてくれるサービスが少ないんですよね。

今後インターンシップが主流になり、キャリア形成の根本的な部分になりうる中でそのようなプレイヤーは重要な役割を担うと思います。そこで、bunkが各個人の幸せなキャリアパスの始点になれればいいと考えています。

学生のうちしかできない経験を沢山するべき

bunkは大学生に向けたサービスだということですが、南さんはどのような学生生活を送っていましたか。

学生生活はひたすら勉強していましたね。

高校1年の秋ごろに渡英を決断したのですが、そもそも英語があまりできなかったので周りに「そんなに勉強して何になるんだ」って言われるぐらい猛勉強していました。

そういう経緯を経てオックスフォード大学に進学したのですが、大学に入ってからも文系チックな心理学を専攻したのでそこでも常に夜遅くまで勉強していました(笑)。

勉強以外に学生時代に取り組んだことは何かありますか。

そうですね。海外の大学だと休みが長いこともあって、特に夏休みは色々やろうと思ってアルバイトやボランティアをしていました。

具体的には、2年生の夏休みにケニアでボランティア活動をしてトルコで2カ月間ホームステイするみたいなことをしましたね。後は修士1年の時にアルバイトなどは何もせず、本を結構読んでいた記憶があります。

インターンはしていなかったものの充実していたという印象を受けるのですが、もし学生時代に戻れるとしたら何をしますか。

前提としてもっと大学生のうちしかできないことをすればよかったと思います。勉強を頑張っていたことに関しては後悔していないです。一方で、アルバイトや本を読むことに費やしていた休み期間に関しては他のことができたなと思いますね。

bunkのようなサービスで良いインターン先を見つけられればよかったのですが、仕事に限らず大学生の時にしかできないことをもっと積極的に探せば良かったなと思います。例えば、旅行やバックパッキングも面白そうですね(笑)。

色々な人と話をして、色々な知識を取り入れ、色々な経験が学生のうちから積めたらいい学生生活が送れると思います。是非bunkを通して業務経験やスキル面以外でもこのような価値のある経験が提供できればいいですね。

ありがとうございました。最後に当インタビューを読んでいる学生の皆さんにキャリアについてのアドバイスがございましたらお願いします。

同じような話なんですけど定説は疑った方がいいです。「就活は早くしなきゃいけない」のように「○○しなきゃいけない」っていう話はよく耳にしますよね。実は、こういう定説が間違っていることって世の中には多くて、それを知っているか知らないかでは大きな差になります。何も考えずに従うのではなく、時には世の中の人たちが言っていることと反対のことを考えて行動することも大切だと思います。

例えば、コンサルの話でいうと、今となっては人気職ですが、20年前くらいまでは結構ニッチな職業でした。ところが、今コンサルで大成している方はコンサルが怪しい職業だと思われていた時代に自ら突っ込んで1から基盤を作り上げた人たちなんですよ。

何を言いたいかというと、みんながやっていることやみんなが言っていることを鵜呑みにせず、時には逆のことに挑戦してみると良いかもしれません。

まだインターンがメジャーではない今の時代、bunkと一緒に切り開いていきましょう。応募をお待ちしています。

記事作成日:2024年3月13日